結局、法定後見と任意後見、どっちが良いの?(後見制度のよくわからないこと#2)

成年後見制度の利用促進に関する立法がなされ、制度の「名前」は多少浸透してきました。

これまで100名以上の方々の後見人を受任してきたので、実際の現場の感覚でそう感じます。

ただ、「名前」は浸透していても、批判を覚悟で言いますが、

「制度の中身」や「使い方」は一般の人はおろか専門職ですら怪しいところです。

成年後見制度の研修講師も多数務めているからこそ、由々しき事態だと考えています。

最近の研修では、

もう成年後見制度に関する研修を最後にしませんか

と冒頭に話すようにしています。

成年後見制度が始まって、丸20年。

いつまで制度の研修をしているのか、関係者もいい加減飽きてこないか、という思いから出る言葉です。

このシリーズは、成年後見制度を少し知っているけど少し不安、研修に出る時間はない、もういい加減研修には出たくない。

そのような人たちがいつでも見返せるような記事にしていきます。

新しいことはアップデートしていきますので、よろしくお願いいたします。

成年後見制度とは?

成年後見制度とは、法定後見制度と任意後見制度からなり、認知症や障害などにより判断能力が不十分な方を保護する最後の手段的な権利擁護の制度です。

でも、意外と正確に答えることができる人は少ないのではないでしょうか。

特に「法定後見」と「任意後見」と2つが含まれているという点です。

成年後見=法定後見という狭義の意味の理解の方が、むしろ「一般的」なのかもしれません。

みなさんはいかがでしょうか?

さて、この「法定後見」と「任意後見」と2つは使う場面が全く違います。

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