【SW事例検討】おひとりさま高齢者「何が分からないのか分からない」 

支援方針

本人の希望が一番大事です。

今回のご本人は、

「妹は遠方に居るし、面倒をかけたくない。だから自分で備えたい。」

という思いが強かったです。

その上で、課題の整理。

①水頭症の手術をどうするか?

これは身体的な直接な影響が出るので、優先度が高い情報です。

②生活環境の改善。

ご本人の生活の環境なので、改善の内容というのはご本人とよく確認する必要があります。

なぜかと言いますと荷物がたくさんあっても、それは本人にとって大事なものばかり。

それは荷物、ゴミではなく、大事なモノ。

このモノを捨ててしまっては、本人との信頼関係構築に影響が出てしまいます。

③財産管理状況、相続手続状況の確認。

差し迫ってはいませんでしたが、確認が必要な部分でした。この点、期限管理をするならば、相続税の申告期限(死亡日から10か月以内)には注意をしましょう。

水頭症の手術をどうするか?

ご本人が病気の理解ができていないため、病状説明に同席をして、私共の方からもわかりやすく説明をしました。

その上で主治医の先生のICに同席をしたうえで、ご本人が納得して手術に同意されました。

生活環境の改善

次に生活環境の改善。

不要なものと必要なものの仕分けを丁寧に確認をして進めていきました。

本人にとっては宝の山であることが往々にしてあることに注意です。

荷物整理の結果、介護ベッドが置けるようなスペースができました。

財産管理状況、相続手続状況の確認

よくよく調べたところ、不要な契約があったり、使っていない携帯電話があったり、亡夫から名義変更していない契約などたくさん“未処理事項”がありました。

まとめ

最後にまとめです。

ご本人はまず、手術により認知機能が回復しました。

そんなことからかもしれないんですが、ご本人が「もっと早く相談したかったなあ」という言葉をおっしゃって見たのが印象的でした。

なかなか社会福祉士の機能というものが認知されていないのは課題です。まだまだ頑張りが足りないなと思いました。

こういったケース色々なケース私共100件以上のケースを関わっていますので、1人1人の人生に寄り添っています。

それぞれの問題があります。

私は「支援する側、される側」という考え方が好きではありません。

あくまで私たちソーシャルワーカーは、ご相談者利用者さん、お客様と対等な立場であって、専門知識を利用して頂く存在です。

「ご本人と一緒に問題を解決する。」

何か決断することに躊躇しているのであれば、それに必要な情報を分かりやすく、お話をして少し背中をそっと押してあげたりします。

時には道に迷ったり、何かするのに困ったときには一緒に迷います。

そして、道しるべになるのではなく、道しるべのありかを一緒に探せるような立場でありたいです。

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