【SW事例検討】おひとりさま高齢者「何が分からないのか分からない」 

健康状態

まず、健康状態についてみてみましょう。

ご本人には、正常圧水頭症という頭の中に水が溜まっての圧迫するような病気の診断がついていました。命には別状はないんですが、歩行障害、認知障害、排尿障害といった症状が現れてきます。

認知症の原因「正常圧水頭症」3つのタイプとは?症状・検査・治療法を解説 | NHK健康チャンネル

認知機能障害が出てきた時に、認知症と思われてしまうことが多いです。

でも、よくよく調べてみたら、正常圧水頭症による症状だったということもあります。そのため、病院で専門医の診察を受けることをおすすめします。

正常圧水頭症は、“水を抜く”手術により、症状が改善することもあるようです。

今回、ご本人は手術をするかどうか本人が決められない状態でありました。

これは病識がない、情報がない、説明が分かりにくいことから判断ができない状態にありました。

このような場面では、ソーシャルワーカーの説明する技術が非常に役に立ちます。

心身機能

心身機能とは、体の状態、心の状態です。

80歳代というご年齢では、ものの管理などの年相応の物忘れがある状態でした。

ご本人は明るく、社交的な性格の方でした。

どこかに出掛けて帰ってくること、近くであれば帰ってきたり、買い物簡単なものであれば帰ってきたり、コンビニに行って買い物して帰ってきたりすることができていたので、見当識障害はないとの見立てができました。

ただ、ときどき、精神不安定になってくると、泣きながら各方面に電話をしてくることが度々あったそうです。

土日祝日時間帯問わず。

活動

次に活動の点を整理してみました。

ここでは、整理するポイントとして、ADL/iADLの観点で整理するととっつきやすいかもしれません。

IADL訓練とは?基本項目から訓練方法・環境調整まで幅広く解説 | OGメディック (ogw-media.com)

具体的には上記の図のような内容です。

今回の本人はADLについては、歩行に多少のふらつきがありますが、それ以外のことはご自身ですべてできていました。

iADLのうち、掃除、買い物は体力が必要なところで、重い物を持ったりとか、お米を買ったりとか、そういったことはヘルパーさんにお任せしていました。

参加

次に参加の項目です。

これは近所付き合いとか親族関係の付き合いとかをさします。

ご本人は、性格が明るく社交的であるので、近所づきあい、親族づきあいには問題がありませんでした。

環境因子

次に環境因子。これは住まいの状況ですとか、その住まい自体の環境についてです。

今回のご本人の自宅は、2階でエレベーターがないお宅でした。

また、自宅の中は荷物が多くある状態でした。

個人因子

個人因子です。これはご本人の性格などがこれにあたります。

今回のご本人は、とにかく人当たりが良かったです。

ご主人を大切にして見えて、お墓参りなどは欠かさず行っていたようでした。また、毎日ご飯をお供えをしたり、そういった習慣を大事にされてみえる方でした。

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